私たちが普段口にしている食べ物。実は、形や大きさが規格外であるという理由からスーパーに並ぶ前に処分されてしまう食べ物もあることをご存知でしょうか?
それに加え、近年では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、卸販売のための生産量の調整が難しくなっているそうです。それが原因で、以前にも増して廃棄量が増えていると生産者の方は嘆いているという実情もあります。
ここ数年のSDGsの加速によって、廃棄物を減らしましょうという動きが大きくなっています。にも関わらず、食べ物の廃棄量がいまだに多いのは問題ではないでしょうか。
今回、「アップサイクル」という考え方で廃棄量を減らし、ただ捨てるものを減らすだけでなくそれを美味しく食べてフードロスの削減をしようという取り組みをご紹介します!
「アップサイクル」って何?
アップサイクルとは、古くなったり廃棄してしまうものに新しい価値を付加して以前よりも高い価値のあるものに生まれ変わらせることを指します。
アップサイクルの詳細についてはこちらをご覧ください。
食べ物のアップサイクルだと、普段は食べない大根の皮をチップスにして食べたり商品として売ったりすることはアップサイクル活動の一環になります。
今までなら捨てていたものに新しく命を吹き込んで別の食べ物に仕上げることは、フードロスの削減にもつながりますし、食育にも取り入れることができます。
アップサイクルでフードロス削減!
SDGsの17の目標の中にはこんなものがあります。
2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させる
これは日本だけでなく世界共通の問題であり、地球、特に先進国に住んでいるひとりひとりがこの先気をつけなければいけないものなのです。
日本でもファストフード店をはじめとした外食産業が盛んです。しかし、その裏では事業系食品ロスが問題になっており、企業全体でフードロス削減を行いSDGsに貢献していこうという動きが年々強くなっています。
そんな中、食品のアップサイクルから生まれた「アップサイクル食品」はこのフードロス削減に繋がるのではないかと現在、大きく期待されています。
私たちでできる食品のアップサイクル
日本にはもともと「もったいない」という文化があり、食べ物を粗末にしないようにするという教育もされてきました。そのためアメリカやヨーロッパ諸国よりも「食べ物のアップサイクル」が進んでいたのです。
では、実際に私たちができる食品のアップサイクルは何があるのでしょうか?
自炊されている方は夕食を作りすぎてしまって残してしまうこともあるかと思います。そんな時に、食べられなかったからといってすぐに捨てるのではなくて、明日の朝食やお弁当のおかずにすることは、捨てるはずだったものに新しい価値を与えているのでアップサイクルとなりフードロスの削減につながります。
白ご飯が余ったら、炊飯器で保温しておいて、翌朝おにぎりにして朝ごはんに食べたりすると捨てることがなくなるので些細なことですがSDGsに貢献できるのです!
他にも、廃棄するつもりだったものを材料にしたアップサイクルレシピもあります。嗜好品としてコーヒーを飲まれる方も少なくないのではないかと思います。そのコーヒーを作ったときに排出されるコーヒー粕もアップサイクルすることで美味しいクッキーに変身させることができるのです!
レシピはこちらで紹介されています。
引用: アップサイクルレシピ〜オートミールクッキー〜 | トレハキッチン-株式会社林原-
https://trehakitchen.jp/recipe/sweets/oatmeal-cookies.html
こうしたアップサイクルレシピはインターネットで調べてみると他にもたくさんあります。料理をしながら楽しく美味しくSDGsに貢献できるのでとてもおすすめです!
食べ物をアップサイクルしたものってどんなものがあるの?
カカオチャイほうじ茶
有機ほうじ茶をベースに厳選されたスパイスとコスタリカ産のカカオハスク(カカオ豆の皮)をブレンドした本格チャイ。
こちらの商品はほうじ茶とカカオハスクをアップサイクルしてできています。
例えば、ほうじ茶で使用されているものは、製茶時に砕けた茶葉を選別したダストティー(粉末状の茶葉)で、これらを熟成、焙煎することで渋みのないすっきりとした味わいのお茶にアップサイクルしているのです!
詳しくはこちらから
https://shop.andthesoil.com/products/622
【クリスマスギフト】GOOD CACAOセット
GOOD CACAOのチョコレート4種とカカオコーヒーのセット。
カカオ全体の約30%を占めるカカオハスクに着目して作られた商品です。カカオハスクには癒される香味と成分があり、コーヒーと独自の比率でブレンドすることによって、苦味が控えめの甘さとコクが引き立つコーヒーが出来上がるのです!
カカオハスクもカカオの一部ですので、安心して楽しめるアップサイクル食品です。
詳しくはこちらから
https://shop.andthesoil.com/products/1353
※販売が終了している可能性がございます。
植物性ミルク
アメリカでは、ビールを製造する際に使用済みとなった大麦を活用して環境に優しい植物性ミルクを製造している企業があります。本来であれば、ビールの製造後にできたビール粕は家畜のエサになるか廃棄されるかのどちらかですが、ビール粕に食物繊維やタンパク質が残っていることに注目してミルクを製造することになりました。
チップス
ビール粕以外の例だと、ジュースの製造過程で発生してしまった野菜の搾りカスに多くの食物繊維があることに着目してチップスを製造・販売している例もあります。
抗菌ジェル絆創膏
東南アジアのシンガポールではドリアンがよく食べられますが、その分ドリアンの皮の廃棄量も多く、焼却処理の際に環境汚染を起こしてしまうためSDGsの観点から問題になっていました。
シンガポール南洋理工大学では、このドリアンの皮をアップサイクルした抗菌ジェル絆創膏を作ったと発表し話題になりました。
従来のジェル絆創膏は合成素材が使用されていて環境に負荷をかけている面がありましたが、このドリアンをアップサイクルしたジェル絆創膏は環境負荷が小さいと予測されています。
まとめ
SDGsは先進国を中心となってすでに始まっています。
その中でも、フードロスはどの国でも問題になっており、食べ残しや廃棄量をなるべく減らそうと努力しています。
普通だったら廃棄してしまうものでも何かアイデアがあればそれを利用して別のいいものを作ろうというのがアップサイクルの考えです。
特に、日本は「もったいない」の文化があり、身近に考えやすいかもしれません。ひとりひとり、他人事だと思わずに取り組むことでSDGsに参加してみませんか?