福岡県うきは市。
水源の森100選にも選ばれるなど、豊かな自然環境に恵まれた深い山あいの、おもに棚田を利用した茶園で有機栽培されている『うきはの山茶』
生態系が保たれた豊饒な土に触れ、緑の風と清らかな水に囲まれながら、自然とともに生きる生活。
生産から流通までを一環製造し、有機栽培にこだわる新川製茶さんにインタビューしました。
―無農薬有機栽培をはじめたきっかけを教えてください。
当園が無農薬有機栽培を初めたきっかけは、両親の体調不良でした。
それまでは一般的に農薬をして栽培をしていたのですが回数も多く、とても体調が悪くなっていました。
そのため、思い切って無農薬栽培に切り替えることにしたのです。
やってみたものの、みるみるうちに病害虫の被害に遭い、散々な茶園になりました。
出来た製品を出荷しても他の茶に比べ、見かけも悪く、安い価格でしか売れませんでした。
それでもと、品質の高さを維持するために、日々の草むしりも機械を使わずに手作業で行うことを続けるなど、
一度決めた事はやり通す強い意志を持ち続けると、茶の樹が徐々に答えてくれました。
―他社にはない特徴はなんですか?
豊かな自然環境に恵まれた深い山あいの茶園で育て、手造りのボカシ肥料を施して、有機栽培茶を生産しています。
それにより甘味や旨味がぐっと引き立ち安心・安全、上質の茶葉となります。
ボカシ肥料は米ぬかや油かす、鶏糞などの有機質肥料を主な原料とし、それらを微生物により分解、発酵させてつくる肥料を指します。
おいしい野菜を作ろうと、油粕や米ぬか、漁粕などの有機質肥料をそのまま畑に使うと、微生物が急激に増え、病原菌の増殖や有毒ガス等の障害を招くことがあります。
有機質肥料を施用する前に、微生物である程度まで発酵・分解させたものが”ボカシ肥料“です。
“ボカシ肥料“は、土壌中で微生物による分解が継続するので、即効性と緩効性を併せ持った肥料です。
―商品づくりで大切にしていることはなんですか?
有機茶園の管理を1年間じっくりと行い、土の健康と自然の生態系を守ることで茶の樹を強くし良い有機栽培茶づくりをしています。
茶園一圃場一圃場、茶の葉一枚一枚に至るまで、責任を持って生産しています。
また、生産から流通までを一環製造しており、最後まで自園で手間暇惜しまず、本来あるべきお茶の姿を模索しています。
01. 茶摘み
今年初めて出てきた新芽を一番茶、二回目に出てくる新芽を二番茶と呼びます。若い、やわらかい新芽だけを摘み取って、煎茶は作られます。
02. 荒茶製造
荒茶とは、摘み採ったお茶の葉を蒸して揉んだ後、乾燥させたものです。摘み取り後すぐに自社の荒茶工場に運び、荒茶製造過程に入ります。
03. 再製仕上げ
荒茶は、形が大小さまざまな状態で混じっているので、形状・大きさごとに選別していきます。また、異物などが入っていないか入念に検査します。
04. 充填・出荷
できあがった「うきはの山茶」は、袋詰めにして、大切にお客様の元にお届けいたします。
『うきはの山茶』は、茶葉を普通の蒸し煎茶よりも長い時間かけて蒸しているので、
少々粉っぽくなりますが、渋味を抑えた濃厚な味が特徴の緑茶となっています。
香味が最高潮といわれる八十八夜の頃に摘み取った新芽の、さまざまな特徴のある品種をバランスよくブレンド。
濃厚なうまみと爽やかな香りが高い次元で響きあう、上品な味わいです。
美味しい飲み方
- 茶器はあらかじめ温めておきます。
- 急須に有機茶葉3gと70℃に湯冷まししたお湯120mlをいれ、1分間蒸らします。
- 湯呑に静かに注ぎ淹れ、最後の一滴まで注ぎきります。※急須の蓋をずらしておけば、二煎目も美味しくいただけます。
1番茶と2番茶のいくつかの品種をブレンドし、誰もがホッとするシンプルな味わいに。
家庭用にちょうどいい、無農薬栽培を始めて以来、最も長く愛され続けているロングセラーです。
美味しい飲み方
- 茶器はあらかじめ温めておきます。
- 急須に有機茶葉3gと70℃に湯冷まししたお湯120mlをいれ、1分間蒸らします。
- 湯呑に静かに注ぎ淹れ、最後の一滴まで注ぎきります。※急須の蓋をずらしておけば、二煎目も美味しくいただけます。
有機茶葉の一番茶より選別された粉茶をティーバッグにしました。
茶葉が細かいため、上品で濃厚な口当たりのお茶が、抽出時間も短く、簡単に淹れてお召し上がりいただけます。
美味しい飲み方
- 湯呑にティーバッグを1包入れます。
- ティーバッグに直接お湯がかかるように入れます。(お湯の温度は75℃が最適です)
- ティーバッグのタグをつかみ上下に5~6回振ると味が濃くなりますので、お好みでご調節ください。
一番茶を微粉末にした、茶殻の出ないお茶です。
お湯を入れるだけで、カテキン、アミノ酸、ビタミンなどの栄養成分をまるごと摂ることができます。有機なので安心してどうぞ。
美味しい飲み方
- 湯のみに70℃~80℃のお湯(約100cc)を用意します。
- お茶をティースプーン1/3杯(約0.5g)の入れ、よくかき混ぜてお飲み下さい。※1袋で約100杯のお茶がつくれます。
有機茶葉を強火で焙煎することで生まれる、得も言われぬ香ばしさ。
カフェインの含有量が少なく、お子様からご年配の方まで、幅広くお楽しみいただけます。
脂っこい料理の後にも。
美味しい飲み方
- 茶器はあらかじめ温めておきます。
- 急須に有機茶葉3gと90℃に湯冷まししたお湯120mlをいれ、1分間蒸らします。
- 湯呑に静かに注ぎ淹れ、最後の一滴まで注ぎきります。※急須の蓋をずらしておけば、二煎目も美味しくいただけます。
有機茶葉の焙煎時に粉の部分のみ選別し、ティーバッグにしました。
強火で焙煎すると広がる、甘い特有の焙煎香。
また粉を焙じているので、コクのある味わいも楽しめます。
美味しい飲み方
- 湯呑にティーバッグを1包入れます。
- ティーバッグに直接お湯がかかるように入れます。(お湯の温度は90℃が最適です)
- ティーバッグのタグをつかみ上下に5~6回振ると味が濃くなりますので、お好みでご調節ください。
国産有機玄米使用。一番茶で作った緑茶と、豊かな香ばしさのある玄米をブレンドして仕上げました。
いずれも有機素材を使用しているため、すうっと淀みのない、すっきりとした味わいです。
美味しい飲み方
- 急須に3g(ティースプーン1杯)の玄米茶を入れ、130mlの熱湯を注ぎます。
- 30秒蒸らし、湯呑に注ぎ淹れます。※熱湯で淹れ、玄米の香ばしくやさしい香りをお楽しみ下さい。
渋みや苦味のある有機茶葉を摘み取り、ゆっくり時間をかけて発酵をうながし、香りを閉じ込めます。
ほのかな甘さが飲みやすく、特有の自然な香りとうまみ広がる自家製紅茶です。
美味しい飲み方
- あらかじめ温めておいたティーポットにティースプーン山盛り1杯分の茶葉を入れます。
- 95℃~98℃のお湯を注ぎ、あればティーコジーをかぶせて3分間蒸らします。
- ティーストレナーでこしながら、カップに注ぎ淹れます。※お好みでジャムをいれても楽しめます。
しみじみ落ち着く日本茶の趣深さと、紅茶の持つ華やかさ。
両方を併せ持つ自家製の有機紅茶を気軽にお飲みいただけるよう、ティーバッグにしました。毎日の朝食にどうぞ。
美味しい飲み方
- 紅茶カップにお湯を入れ、1分間温めた後、お湯をすてます。
- 再びカップにお湯(98℃)を入れ、次にティーバッグを入れます。(ここで振ったり絞ったりしない)バッグの中で茶葉がジャンピングする状態をつくるのが理想です。
- 2~3分待ってお召し上がりください。
―最後にみなさんへ伝えたいこと。
有機栽培において苦労は数え切れませんが、皆様からの温かいお言葉が励みとなっています。
天地の恵みに感謝し、有機栽培のお茶が日常の一部になれたら嬉しいです。
これからもコツコツと今やるべきことを続けていき、もっとたくさんの方々に有機栽培の良さをお伝えできればと思います。
手塩にかけた、有機栽培緑茶を是非ご賞味下さい。