オーガニックコスメの定義をご存知ですか?
「自然派」「ナチュラル」「無添加」などのイメージがあると思いますが、実は日本にはオーガニックコスメについての明確な基準がありません。
そのため、オーガニック成分が1%程度でもオーガニックコスメとして販売されている商品も多いのです。
内部リンク:オーガニックコスメとは?お肌に良さそうだけど実際のところは?オーガニックコスメの意味と選び方を徹底解説!
ただし、海外にはオーガニックコスメを認証する機関があり、認証マークがついているものは、その機関が設けたオーガニック基準をクリアしているという証明になります。
そこで今回は、主なオーガニック認証機関と、認証基準の一部をご紹介します!
エコサート
1991年にフランスで設立。
オーガニックコスメ認証の世界シェア75%を誇る国際オーガニック認証機関です。
世界各地に23の支社を置き、80か国以上でコスメだけでなく、加工食品、畜産物、コットンなどその他さまざまな有機認証を提供しています。
エコサートのオーガニックコスメの認証基準はとても厳しく、オーガニック原料は土づくりから管理される厳しい基準をクリアした原料でなくてはなりません。
また、製造工程や容器においてもリサイクルや地球環境への配慮など、細部に至るまで厳しくチェックされ、認定後も一年に一度の年次検査が行われています。
認証基準
- 完成品の95%以上が天然由来成分であること
- 植物原料の95%以上がオーガニック原料であること
- 化学原料は完成品の5%未満であること
USDA
アメリカ合衆国農務省(日本でいう農林水産省)の略称。
栽培地で3年以上農薬を使用していないことや、オーガニック栽培計画書などの証明資料とオーガニック製品を提出する必要があります。
また政府の承認を得た検査官による現地査察を行い、認定後も毎年査察が行われるなど徹底した管理を必要とするため、世界でもっと厳しい基準であると言われています。
認証基準
- 収穫の3年前までの農薬・科学肥料を使っていない土地で有機栽培されていること
- 原料の遺伝子組み換え・電離放射・下水汚泥は禁止
- 水と塩分を抜いた質量で、製品の95%以上がオーガニック原料で作られていること
- 残りの5%も国が認めた合成物質・天然物質でなければならない
ACO
2002年でオーストラリアで設立。
もともとは食品向けの認定を行っていたためコスメに対しての基準も厳しく、口に入っても安全な食品レベルの基準が求められます。
オーストラリアで販売されている有機製品の大半はACOのロゴがついているほど、オーストラリア内の消費者に最も広く認知され信頼されている有機認証マークです。
認証基準
- 95%以上が認定されたオーガニック原料であること
- 残り5%についても基準に準拠した天然成分であること
- 動物実験をしていないこと
- 合成化学物質(合成着色料、合成香料、化学由来防腐剤)、合成肥料、遺伝子組み換え作物を使用していないこと
NATRUE(ネイトゥルー)
2007年にベルギーで設立。
認証制度をビジネスにせず、非営利団体として公平さにこだわるネイトゥルーは、認証の基準やプロセスを誰もが見られる状態で公開しています。
審査も公平な第三者機関によって行われるようになっています。
認証基準
- 配合されている自然原料のうち95%以上がオーガニックであること
- 環境にやさしい製造方法がとられていること
- 製品や植物性成分には放射線処理が施されていないこと
- 動物実験は行われていないこと
BDIH
2000年にドイツで設立。
ナチュラル思考やエコロジー志向の先進国であるドイツはオーガニック志向も高い傾向にあります。
日本とは違いノンオーガニックとオーガニックの価格差がどんどん縮まってきており、オーガニックコスメは普段使いとして浸透してきてるようです。
認証基準
- 可能な限りオーガニックまたは野生群生の植物から抽出した原料を使用する
- 動物実験は、委託実験を含み一切行わない。また、哺乳類に由来する原料などは使用不可
- 合成色素、合成香料、シリコン、パラフィン、そのほかの石油製品、エトキシ化物質は使用禁止
- 防腐剤には天然成分を使用する
- リサイクル可能な容器を使用する
- フェアトレードを推進し、環境のためにも優しい企業である
デメター(demeter)
1997年にドイツで設立。
1920年代にルドルフ・シュタイナーが提唱したバイオダイナミック農法を推奨し、「バイオダイナミック農法の指導と認証活動を行う組織」でもあります。
バイオダイナミック農法とは、天体の運行などにより種をまく時期や収穫時期を決めるなど宇宙の自然のリズムに即した農法です。
この作られた農産物は通常に栽培された農産物よりも根がしっかりしていて、質量が18%も重く育ったというデータもあります。
認証基準
- バイオダイナミック有機栽培方法で栽培された農産物を用いること
- 植物原料の50%以上はオーガニックであること
- 95%以上は天然成分であること
- 香料はすべて天然であること
ソイルアソシエーション
イギリスのオーガニック認証機関で、2002年にコスメ向けの基準を設立。
コスメのみならず、農業、水産養殖、倫理貿易、食品加工、林業、園芸、織物まで認証対象とされており、イギリスの有機産物の80%以上がソイルアソシエーションの認証をうけています。
項目が非常に細かく、ひとつひとつの審査基準が厳しいことでも有名です。
認証基準
- 過去5年以内に遺伝子組換えが生産されていない
- 肥料は遺伝子組替え作物を含まない
- 土壌を用いない栽培方法(水栽培、鉢植え等)の禁止
- 肥料には有機物による堆肥、植物の抽出物、ミネラルが用いられていること
- 工業地帯から離れた場所で栽培されている
- 似た病害を受けやすい作物を栽培する場合、一定期間を置く
エココントロール
2008年にドイツで設立。
品質基準や安全性だけでなく、フェアトレードや持続可能性など、より広い基準が設けらられています。
また、化粧品認定において「効果が皮膚科学的に確証されている」という、他の認証基準にはない独自の項目があります。
認証基準
- 植物原料は主に管理生物学的に栽培された植物もしくは認定された野生種を採取して得られる
- 殺傷した動物から得た成分は使用しない
- 保存料は植物性原料より製造
- 石油由来の合成界面活性剤、化学保存料や不使用
SoCert(ソサート)
イタリアで設立。
イタリアのQC&Iという農産物のオーガニック認証機関を母体としています。
フランスのエコサートをモデルとして作られましたが、その基準はエコサート以上に厳しく多岐に渡り、現在ではイタリアのスタンダードになりつつあります。
認証基準
- 100%植物原料であること
- 主原料に有機栽培認証原料を使用すること
- 水を含めた成分の20%以上が有機認証原料で構成されていること
- 製造プロセスについて明記すること
- 環境に配慮した包装であること
まとめ
オーガニックコスメ認証を受けているからといってすべての人のお肌に合うとは限りません。
ですが、認証マークをチェックすることはたくさんのアイテムの中から自分に合ったものを探すひとつの参考になります。
それぞれの機関によって基準やコンセプトにも違いがあるため、よく見極めて納得できるコスメを見つけましょう♪