HEALTH

ケトジェニックとは?ケトジェニックダイエットは本当に痩せるの?

sign

ダイエットにいい!と話題のケトジェニックとは?

ケトジェニックとは、私たちが食事から摂取しているエネルギー源の一つです。

私たちの体には「グルコジェニック」と「ケトジェニック」という、2つのエネルギー源が備わっています。

このうち「グルコジェニック」は、炭水化物を分解して作られる糖質から得るエネルギーです。

sign

お米や小麦粉などを主食とする私たちにとって、メインとなるエネルギー源です。

普段の私たちは、この回路によってエネルギーを確保しています。

これに対して「ケトジェニック」は、脂質(ケトン体)をエネルギー源とするものです。

私たちの体は、常に糖質からエネルギーを得ようとします。

しかし糖質が体内に入ってこなくなると、これまでに体内に蓄えられた中性脂肪を燃焼させて、肝臓から「ケトン体」を作り出し、それをエネルギー源とするのです。

sign

従来のグルコジェニックから、ケトン体を作り出す体質に変えるのが、ケトジェニックダイエット目的です。

ケトン体を作り出せる体質のことを、「ケトーシス」といいます。

このダイエットを始めると、1~2週間程度でケトーシスに切り替わるといわれています。

ケトジェニックダイエットの起源は古く、医師の元祖といわれる“ヒポクラテス”の時代には、すでにてんかんの治療法として実施されていました。

これを現代によみがえらせたのが、アメリカのラッセル・モース・ワイルダー医師です。

1920年代に、新たな食事療法として提唱されました。

その後の研究によってこの食事療法は、てんかんだけでなく、アルツハイマー病心臓病など、他の疾患にも効果が認められたと報告されています。

ケトジェニックダイエットの方法

このダイエットは、糖質を徹底的に遮断するのが特徴です。

しかし健康的に痩せるためには、三大栄養素であるたんぱく質・脂質・糖質をバランス良く食べることが重要です。

sign

厚生労働省が推奨している三大栄養素のバランスは、タンパク質13~20%、脂質20~30%、糖質50~65%です。

しかし、ケトーシスに変えるためには、タンパク質30%、脂質60%、糖質10%のバランスで摂取するのが良いとされています。

脂質を一般的な推奨値の約倍量に増やし、糖質は約6分の1に減らすのが、このダイエットの特徴なのです。

ダイエットを始める前に、三大栄養素を何グラム食べればいいのかを計算しましょう。

計算方法はいろいろありますが、一日に必要なカロリーを、単純にタンパク質30%、脂質60%、糖質10%に分けてみましょう。

例えば、30代女性で毎日の活動量が普通程度の場合、1日2,050kcalが必要です。

タンパク質30%、脂質60%、糖質10%に分けると、タンパク質は615kcal(約154g)、脂質は1230kcal(約137g)、糖質は205kcal(約51g)となります。

1食に換算すると、たんぱく質は約51g、脂質は約34g、糖質は約17gです。

糖質は一日に51g取れますが、だからといって少しだけならご飯を食べてもいいわけではありません。

糖質は野菜や果物などにも含まれていますから、炭水化物から取るのは禁物です。

そして食事の中心となる脂質は、良質なものを選ぶのもポイントです。

おすすめは、オリーブ油

sign

購入しやすいですし、熱を加えても劣化しにくいので炒め物などにも使えます。

ココナッツオイルも、とても良質な油です。

すぐにエネルギーとなる中鎖脂肪酸が多く含まれており、食後2時間でエネルギーに変わります。

これは一般的な油の約5倍の速さで、さらに加熱しても劣化が少ないのも魅力です。

アマニ油えごま油といったオメガ3系脂肪酸も、積極的に食べましょう。

ただ熱に弱いので、ドレッシングにするなど加熱せずに食べましょう。

ココナッツオイルパームオイルから抽出されたMCTオイルも、すぐにエネルギーになるのでおすすめです。

体に蓄積されにくいので、ダイエット効果も高まります。

こちらも熱に弱いので、そのまま食べましょう。

ケトジェニックダイエットでおすすめの食品と、避けたい食品

まず積極的に取りたい食品として、良質なたんぱく質が挙げられます。

肉や魚、卵、牛乳、チーズなど、動物性たんぱく質に偏らず、納豆や豆腐などの植物性たんぱく質も摂取するよう心掛けましょう。

sign

また、ご飯やパンなどの穀物を食べないので、植物繊維が不足しやすくなります。

キノコや海藻、豆類、ナッツなど、植物繊維がたっぷりと含まれているものを積極的に食べましょう。

お酒は適量なら飲んでもOKですが、ビールや酎ハイは糖質が高いためNGです。

焼酎やウイスキーなど、糖質が含まれていないものをおすすめします。

避けたいのは、お米や小麦などの穀類、甘みの強いフルーツ、もちろん砂糖もNGです。

トランス脂肪酸や酸化・劣化した油など、質の低い油も禁物です。

ケトジェニックダイエットのメリットとデメリット

ケトジェニックダイエットには、さまざまなメリットがあります。

まず、スタートして1~2週間で効果が実感できること。

また、特別に運動をする必要もありません。

むくみも解消されるので、効果が実感しやすいのが嬉しい点です。

このほかに「思考力や認知力が高まる」「睡眠の質が良くなる」「精神が安定するなど」メリットを数え上げればきりがないほどです。

とはいえ万能のダイエット法ではなく、デメリットもあります。

極端な糖質制限を行うので、栄養失調になる恐れがあること。

方法を間違えると「ホルモンバランスが崩れる」「イライラする」など心身の不調を引き起こすことがあります。

sign

またケトーシスになると、「ケトン臭」という独特の体臭が発生することがあります。

これは、ダイエットの効果が出ている証拠なのですが、体臭は誰もが気になるものです。

新陳代謝をよくするために水分をしっかりと補給し、適度に運動をするなどデトックスを意識しましょう。

また、体が酸性に傾きやすいので、野菜やきのこ、果物、海藻などアルカリ性の食べ物を食べること大切です。

このダイエットは極端な食事制限を行うため、危険を伴うことを頭に入れておきましょう。

本格的に取り組むなら、ダイエットクリックや、専門知識のあるパーソナルトレーナーなどがいるダイエットジムに通うことをおすすめします。

特に持病がある人や、体調に不安がある人は、担当医に確認した上で行ってください。